WEP037  ポスター②  10月19日 会議室P 13:00-15:00
次世代放射光施設に向けたデジタル制御によるステアリング電磁石用電源の開発
Development of a bipolar-type magnet power supply using a digital controller for next generation light source facility
 
○近藤 力(JASRI/RIKEN),福井 達(RIKEN),中澤 伸侯(SES),深見 健司,渡部 貴宏(JASRI),西森 信行(QST)
○Chikara Kondo (JASRI/RIKEN), Toru Fukui (RIKEN), Shingo Nakazawa (SES), Kenji Fukami, Takahiro Watanabe (JASRI), Nobuyuki Nishimori (QST)
 
次世代放射光施設では、六極電磁石の対向磁極三対に補助コイルを付け、このコイル間の励磁電流のバランスをとることで、ステアリング磁場を発生させる。このような電磁石を励磁する電源に対しては、全電流範囲において50 ppmの高い電流安定度や、電流変更時に三対のコイルの電流のバランスを崩さない同期性、また磁石―BPM間のオフセット測定をビーム基準によって行うためのパターン出力機能などが求められる。我々は、これまで開発してきたデジタル制御電源の技術を応用し、これらの要求に応じられる電磁石電源を開発した。この電源では、出力電流をADCおよびFPGAによりフィードバック制御し、更にフルブリッジ型のスイッチング回路をPWM制御することで、電流安定化を行っている。このようなスイッチング方式では、0 A付近の小電流出力時にはPWM制御のパルス幅が極小になるため、スイッチング素子の応答遅延などにより電流リップルを抑えることが難しくなる。そこで、スイッチング出力を双極で行うことで要求される安定度を実現した。また、三対のコイルの電流変更時に、電流のバランスを崩さない同期性を実現するために、電源1台で3対の出力を制御する構成とした。他にも、CPUを利用した柔軟なパターン生成システムにより様々のパターン励磁を実現した。本報告では、電源の概要と上記の機能の詳細を述べる。