WEP026  ポスター②  10月19日 会議室P 13:00-15:00
日大LEBRA-PXR線源による40keV単色X線の生成とその特性
Characteristics of monochromatic 40-keV X-rays produced by the LEBRA-PXR source at Nihon University
 
○早川 恭史,早川 建,野上 杏子,境 武志,高橋 由美子,田中 俊成(日大LEBRA),胡桃 聡,住友 洋介,吉川 将洋(日大理工)
○Yasushi Hayakawa, Ken Hayakawa, Kyoko Nogami, Takeshi Sakai, Yumiko Takahashi, Toshinari Tanaka (LEBRA, NU), Satoshi Kurumi, Yoske Sumitomo, Masahiro Yoshikawa (CST, NU)
 
日大電子線利用研究施設(LEBRA)では、シリコン単結晶に電子リニアックからの100MeV電子ビームを照射することで発生するパラメトリックX線放射(PXR)を放射原理とした、エネルギー可変単色X線源を運用している。これまではPXR放射源としてSi(111)またはSi(220)結晶を用いることで、4keV〜34keVの範囲のX線ビームを利用研究に供給し、回折強調イメージングなどの先端的な応用を実現してきた。最近、ユーザー利用者から重元素を含む試料の非破壊分析を可能とする高エネルギー単色X線ビームの要求があったことから、より高次の結晶面の利用した高エネルギーX線の生成を検討した。理論計算の結果をふまえると、40keV以上のPXRの発生にはSi(400)面の使用が有利と考えられたため、無擾乱研磨を施したSi(400)結晶を用意し、約7年間使用していたSi(220)結晶と交換した。得られるX線の光子数は低エネルギーの場合と比べて1桁以上少なくなるが、47keVまでのX線の発生が期待できる。Si(400)を放射源とする試験運転では、実際に40keVのPXRビームの発生を確認することができた。得られた高エネルギーPXRの特性について報告する。