WEP025  ポスター②  10月19日 会議室P 13:00-15:00
京都大学中赤外自由電子レーザの更なる引き出し効率向上に向けた検討
Study on further increase of extraction efficiency of Kyoto University free electron laser
 
○全 炳俊,大垣 英明(京大エネ研),羽島 良一(量研)
○Heishun Zen, Hideaki Ohgaki (IAE, Kyoto Univ.), Ryoichi Hajima (QST)
 
京都大学中赤外自由電子レーザではこれまでに動的位相変調および既設熱陰極高周波電子銃の光陰極運転により9.4%とという高い引き出し効率を達成している。現在、光陰極運転専用高周波電子銃の導入を進めており、これによってバンチあたり電荷量を現在の約200pCから1nC程度まで増大させることを計画している。このアップグレードによりFELゲインが5倍程度増大し、引き出し効率が約20%程度まで向上することが期待されている。FELゲイン(g)と光共振器損失(α)の比(g/α)が大きくなると自由電子レーザの引き出し効率が大きくなることが数値計算により明らかにされており、新電子銃導入により期待される20%よりも更に引き出し効率を向上させるには更にFELゲインを向上させるかもしくは光共振器損失を低減させれば良い。本研究ではアンジュレータの狭ギャップ化、光共振器設計の最適化、光取り出し方法の変更の3つによる大幅な引き出し効率向上について検討状況を報告する。本研究はJSPS科研費JP22H03871および文部科学省の光・量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP、JPMXS0118070271)の助成を受けたものです。