WEP005  ポスター②  10月19日 会議室P 13:00-15:00
アダマール変換に基づく横方向エミッタンス診断系の開発
Development of transverse emittance diagnostic system based on Hadamard transform
 
○竹本 伊吹(九大大学院),榊 泰直(量研関西研),宮武 立彦(九大大学院),小島 完興,錦野 将元(量研関西研),白井 敏之(量研放医研),近藤 公伯(量研関西研)
○Ibuki Takemoto (Kyusyu-Univ.), Hironao Sakaki (QST), Tatsuhiko Miyatake (Kyusyu-Univ.), Sadaoki Kojima, Masaharu Nishikino, Toshiyuki Shirai, Kiminori Kondo (QST)
 
量研関西研では,超小型重粒子線がん治療装置(量子メス)の実現に向けて,レーザー駆動イオン加速技術を用いた小型炭素イオン入射器の開発に挑戦している。レーザー駆動イオン加速によって生成される炭素ビームを下流のシンクロトロンの設計軌道にマッチさせたビーム軌道で入射させる必要があるため、ビームの横方向エミッタンスの制御が必要である。 横方向エミッタンスとは,ビームを構成する粒子の位置・運動方向による位相空間の大きさであり,ビームの層流性を表すパラメータである。これまで,レーザー駆動加速により生成される陽子ビームの横方向エミッタンスは,現行のECRイオン源によって生成されるビームと比較して2桁以上優れた値であることが報告されている。一方で,炭素ビームに関しては,同時加速される陽子ビームや酸素ビームを弁別することが困難であるために,炭素ビームの横方向エミッタンスが評価された例はない。そこで我々は,四重極磁石による核種の磁場弁別とダブルスリット法を組み合わせた炭素ビーム横方向エミッタンス診断系の開発を進めている。本研究では, レーザ駆動イオン加速における横方向エミッタンス計測で生じる課題と診断系の進捗について報告する。