WEOB02  加速器技術(真空)/加速器土木・放射線防護  10月19日 会議室B 9:20-9:40
核融合中性子源A-FNS加速器用高エネルギービーム輸送系とターゲット境界の真空設計
Design of the vacuum system for the interface of the HEBT and target system in A-FNS
 
○蛯沢 貴,佐藤 聡,落合 謙太郎,春日井 敦,長谷川 和男(量研 六ヶ所研究所),林崎 規託(量研 六ヶ所研究所, 東工大)
○Takashi Ebisawa, Satoshi Sato, Kentaro Ochiai, Atsushi Kasugai, Kazuo Hasegawa (QST Rokkasho), Noriyosu Hayashizaki (QST Rokkasho, Tokyo Tech)
 
核融合原型炉材料の高速中性子照射データ取得を目的として、量研六ヶ所研究所に核融合中性子源A-FNSの建設が検討されている。A-FNS加速器の主要機器である高エネルギービーム輸送系(HEBT: High Energy Beam Transport)では、125 mA/40 MeVのCW重陽子ビーム分布を矩形に成形してビーム輸送し、自由表面の液体リチウムターゲットに照射し、重陽子とリチウムとの核反応により高エネルギーの中性子を発生させる。加速器は残留ガスによるビームロスを抑制するため、HEBT側は真空圧力を10-5 Pa以下にする必要がある。一方、液体リチウムターゲット側はリチウムの沸騰防止のため、10-4 Pa から10-3 Pa台に維持しなくてはならない。加速器側とターゲット側で真空圧力は2桁異なっており、真空を隔てる窓がなく径が大きなビームダクトで接続された両者の異なる圧力条件を満たす差動排気系の設計が、HEBTの設計課題の一つである。簡易な計算モデルを用いてHEBTの真空設計を実施し、真空ポンプを適切に配置することで、HEBT側は10-6Pa台、ターゲットとの境界を10-3Pa台に維持できる差動排気が可能な設計条件の見通しを得た。本発表では、A-FNS加速器のHEBT-リチウムターゲット間の真空差動排気系設計のための計算結果及びHEBT設計について報告する。