WEOA07  加速器技術(粒子源)/レーザー  10月19日 会議室A 15:50-16:10
金属3Dプリンタにより造形された純タングステン材の評価
Evaluation of pure tungsten made with metal 3D printer
 
○渡邉 丈晃(KEK)
○Hiroaki Watanabe (KEK)
 
J-PARCハドロン実験施設では、30GeVに加速された陽子ビームを金属標的へ照射し、そこで生成されるK中間子等の2次粒子を利用したバラエティーに富んだ原子核・素粒子実験を遂行している。標的の材質としては、2次ビームの要請などから高密度の金属が望ましく、次期標的材として円盤形状のタングステンが1つの候補となっている。しかし、タングステンは難切削材のため、放熱のためのフィン加工といった複雑な形状の機械加工は極めて困難である。これを解決する1つの方法として、金属3Dプリンタによるタングステンの造形が考えられる。金属3Dプリンタであれば、相当複雑な形状でさえも実現可能であると期待される。しかしながら、金属3Dプリンタにより造形されたタングステン素材については、基本的な機械特性や物性については十分明らかにされていない。そこで、現在最も普及しているパウダーベッド型レーザー照射方式の金属3Dプリンタでタングステン素材の造形を行い、そこから各種試験片の製作を行った。さらに試験片の半数について熱間等方圧加圧法(HIP)を施工した。本発表では、これらの試験片についての評価結果について報告を行う。