TWP014  ポスター①②  10月18日・19日 会議室P 18日13:30-15:30/19日13:00-15:00
KEK先端加速器施設(ATF)におけるナノビーム技術開発
Development of the nanometer beam technology at the accelerator test facility
 
○照沼 信浩,久保 浄,黒田 茂,奥木 敏行,内藤 孝,福田 将史,中村 英滋,アリセフ アレクサンダー,クルーチニン コンスタンテイン,荒木 栄,森川 祐,大森 恒彦,倉田 正和(KEK),阿部 優樹,ポポフ コンスタンテイン(総研大)
○Nobuhiro Terunuma, Kiyoshi Kubo, Shigeru Kuroda, Toshiyuki Okugi, Takashi Naito, Masafumi Fukuda, Eiji Nakamura, Alexander Aryshev, Konstantin Kurichinin, Sakae Araki, Yu Morikawa, Tsunehiko Omori, Masakazu Kurata (KEK), Yuuki Abe, Konstantin Popov (SOKENDAI)
 
KEKのATFは、国際リニアコライダー(ILC)において必要とされるビーム計測・制御技術、特に衝突ビームに必要なナノメートルビーム技術の開発を行う試験加速器である。最終収束システム試験ライン(ATF2)を拠点として、ILCでの衝突ビームサイズ7nm(垂直方向)に対応する37nm極小ビームの技術開発が進められ、今までに垂直方向41 nmを達成した。また、ナノメートルレベルでの電子・陽電子ビーム衝突を安定にするために、ビームパルス内のバンチ-バンチ間で高速に応答するビーム位置フィードバック開発も進められ、133nsでの応答を確認した。これらによりILC最終収束系に必要な基本技術は概ね実証されたと評価されている。近年はナノメートルビームに対するウェイク場の影響とその軽減手段の見極めに焦点を当てている。ATF2は、20nm位置分解能の空洞型BPM、ナノメートル極小ビームを測定するレーザー干渉縞型ビームサイズモニターを有し、ナノメートル極小ビームに対するウェイク場の影響研究に適した施設である。ATFでの今までの結果を踏まえてILCにおけるウェイク場の影響が見積もられているが、ILCの場合ではエネルギーが高く、その影響は限定的と評価されている。ATFではこれらの評価の信頼性を上げることを含め、ビームモニターの高度化を進めながら、更なる極小ビームの実現と安定化を目指すナノメートルビーム技術開発を追求している。