TUP059  ポスター①  10月18日 会議室P 13:30-15:30
大強度イオン線形加速器の基本設計用多粒子シミュレーションモデルの構築
Construction of a multi-particle simulation model for the basic designs of high-intensity linear ion accelerators
 
○小島 邦洸,岡本 宏己(広大院先進),守屋 克洋(日本原子力研究開発機構)
○Kunihiro Kojima, Hiromi Okamoto (AdSE, Hiroshima Univ.), Katsuhiro Moriya (JAEA/J-PARC)
 
周期的な外力を受けながら伝搬する荷電粒子ビームは一定の条件下で共鳴的に不安定化することが知られている。一方で線形加速器の単位構造長は一般にはビーム重心エネルギーの増加に伴って徐々に長くなるため外場は厳密な周期性を持たない。ベータトロン振動およびシンクロトロン振動のチューンも単位構造長の変化に伴って推移する場合が多い。したがって入射時点でのチューンの選択等に依ってはビームを加速する過程で動作点が共鳴帯を横切る可能性がある。その影響の大小はビームの重心エネルギー、空間電荷力の強弱、共鳴帯の横断速度等に依存した複雑な問題となることが予想される。こういった現象の系統的な調査を念頭に、アルバレ型ドリフトチューブ (DTL) を想定したシミュレーションモデルを構築し Particle-In-Cell コード IMPACT に実装した。本講演ではモデルの詳細に加えて、現在稼働中である J-PARC DTLの設計パラメーターを参考にして試験的に行ったシミュレーションの結果について報告する。