TUP053  ポスター①  10月18日 会議室P 13:30-15:30
組み合わせ速度集群法によるテラヘルツ帯アンジュレーター放射実験
Report on THz undulator radiation experiment with combination of velocity bunchings
 
○住友 洋介,境 武志,早川 建,早川 恭史(日大理工)
○Yoske Sumitomo, Takeshi Sakai, Ken Hayakawa, Yasushi Hayakawa (Nihon Univ. CST)
 
電波技術の進展に伴いより高い周波数帯域の需要が指数関数的に高まっている。特に、電波と赤外領域の間に位置しているテラヘルツ帯域は、電波技術と光科学の双方の技術進展で迫っている領域であり、また、近年の目覚ましい光源開発も手伝い、近い将来の産業活用を含めた飛躍的な進展が期待されている。加速器はピコ秒以下に圧縮された電子バンチを用いることで、ピーク強度が高く時間幅の短いテラヘルツパルスを生成することを得意としており、需要の高まるテラヘルツ科学での推進力となるポテンシャルを秘めている。 本研究では独自のバンチ圧縮法である「組み合わせ速度集群法」を提案し、圧縮された電子バンチをアンジュレーターの周期磁気回路と相互作用させることで、準単色コヒーレントテラヘルツ放射の生成を行うことを目的としている。日本大学の100 MeV加速器を用いて行なった実験では、これまでに経験のない13 MeV程度の低いエネルギーでのビーム生成を行い、既存の赤外用アンジュレーターを転用してテラヘルツ光を発生させることに成功した。この発表では、提案しているバンチ圧縮法や広がりの大きな光取り出しなどを含め、実験結果についての報告を行う。