TUP048  ポスター①  10月18日 会議室P 13:30-15:30
SuperKEKBにおけるRFステーション位相およびビーム負荷配分の調整
Adjustment of RF phase and beam loading distribution among RF stations in SuperKEKB
 
○小笠原 舜斗,赤井 和憲,小林 鉄也,中西 功太,西脇 みちる(KEK)
○Shunto Ogasawara, Kazunori Akai, Tetsuya Kobayashi, Kota Nakanishi, Michiru Nishiwaki (KEK)
 
SuperKEKBは電子・陽電子蓄積リングからなる衝突型加速器で、高ルミノシティ達成のために設計ビーム電流も3.6Aという大電流に設定されている。現状では1Aの蓄積電流を達成し、ルミノシティの世界記録を更新しているが、目標達成に向けさらなる増強を目指す。高周波加速システムは、両リング合わせて30ステーションの高周波源系と2種38台の加速空洞で構成され、前例のない巨大なビームパワーを多数のRFステーションで分担することになる。このとき、ビームの安定性や電力効率、構成機器への負荷などの面から、それぞれの空洞が負担するビームパワー(ビーム負荷)をステーション間で適切に分配することが重要である。ビーム負荷を調整することは、各ステーションでビームに対するRF位相(加速位相)を調整することに相当する。加速位相は空洞ピックアップ信号などからビーム蓄積前に予め調整されるが、周長3kmのリング全体で位相を精密に調整することは困難である。ビーム負荷をより精密に分配し、運転状況の変化等にも臨機応変に対応するためには、蓄積ビームを用いて加速位相を評価する仕組みが有効である。そこでSuperKEKBでは、空洞におけるRF電力収支からビーム負荷を求め、それを基に位相調整を適宜行っている。本稿では、多数のRFステーションを抱えるSuperKEKBにおけるステーション間のビーム負荷(加速位相)評価および調整方法と、その運用について紹介する。