TUP046  ポスター①  10月18日 会議室P 13:30-15:30
位相変調を用いたコヒーレントなシンクロトロン振動の抑制
Suppression of coherent synchrotron oscillation using phase modulation to RF accelerating voltage
 
○大島 隆,前坂 比呂和,岩井 瑛人,稲垣 隆宏(理研)
○Takashi Ohshima, Hirokazu Maesaka, Eito Iwai, Takahiro Inagaki (RIKEN)
 
SPring-8では蓄積ビームのコヒーレントなシンクロトロン振動をマスターオシレータに対する FM変調で抑制するシステムが運用されている。しかし、この方法ではCOD測定などにおいて基 準となる信号に対して位相雑音を増加させることになり、それらの測定精度の悪化を引き起こす 可能性がある。また、SPring-8のアップグレード計画で想定されている低エミッタンスリングでの輝度への影響も懸念される。そこで、我々は4つのRFステーションのうちの1つに対して、ビームのエネルギー変動の情報をもとに位相変調を印加することにより、コヒーレントなシンクロトロン振動を抑制する方法を試みた。LLRFおよび一部のBPMシステムはMTCA.4規格のモジュールで構成されており、柔軟な位相変調、シリアル通信を用いたBPMデータの転送が可能となっている。このシステムを用いたプレリミナリーな試験において、振動のピークの振幅をおよそ1/4程度に抑制できることを確認した。今回の報告では試験のセットアップ、結果および今後の予定について報告する。