TUP045  ポスター①  10月18日 会議室P 13:30-15:30
ハドロン実験施設における回転円盤型2次粒子生成標的のための気体軸受の設計
Design of gas bearing for rotating-disk-type secondary-particle production target at J-PARC Hadron Experimental Facility
 
○渡邉 丈晃,上利 恵三,秋山 裕信,青木 和也,家入 正治,加藤 洋二,倉崎 るり,里 嘉典,澤田 真也,高橋 俊行,髙橋 仁,田中 万博,豊田 晃久,広瀬 恵理奈,皆川 道文,武藤 史真,森野 雄平,山野井 豊(KEK)
○Hiroaki Watanabe, Keizo Agari, Akiyama Hironobu, Kazuya Aoki, Masaharu Ieiri, Yohji Katoh, Ruri Kurasaki, Yoshinori Sato, Shin'ya Sawada, Toshiyuki Takahashi, Hitoshi Takahashi, Kazuhiro Tanaka, Akihisa Toyoda, Erina Hirose, Michifumi Minakawa, Fumimasa Muto, Yuhei Morino, Yutaka Yamanoi (KEK)
 
J-PARCハドロン実験施設では、30GeVに加速された陽子ビームを金属標的へ照射し、そこで生成されるK中間子等の2次粒子を利用したバラエティーに富んだ原子核・素粒子実験を遂行している。2020年から1次陽子ビーム強度で最大95kWに対応した固定型標的を使用しており、2021年には64kWの安定したビーム運転を達成している。しかしながら、熱負荷が一定位置となる固定型の標的では100kWを超えるビーム強度を受けることが困難であるため、熱負荷を分散させることのできる回転円盤型標的の開発を進めている。この円盤として、外径346mm-厚さ66mmで円盤外周部は金やタングステンといった高密度の金属とし、円盤内周側は熱伝導率のよい銅にフィン加工を施したものをベース案としており、円盤とシャフトを合わせた重量は約40kgとなる。この円盤の回転軸受として、標的近傍の放射線環境で実績のある耐放射線ボールベアリングを採用する場合、200rpmの回転速度で軸受寿命が約1年となる。ハドロン施設では1つの標的を5年程度使用する計画のため、より長寿命の軸受を必要としている。そこで、基本的には寿命に制約がなく、放射線環境で運用でき、より高速回転にも対応可能な気体軸受の開発を進めている。本発表では、気体軸受の設計および試作機による評価結果について報告を行う。