TUP036  ポスター①  10月18日 会議室P 13:30-15:30
J-PARC muon g-2/EDM実験用ビーム入射キッカーの磁場設計
Design work of pulsed radial kick field for J-PARC muon g-2/EDM experiment
 
○飯沼 裕美(茨大理工),阿部 充志(KEK),佐々木 憲一,中山 久義,三部 勉(高エネ研),高柳 智弘(原研),徳地 明(パルスパワー技術研究所)
○Hiromi Iinuma (Ibaraki-Univ.), Mitsushi Abe, Ken'ichi Sasaki, Hisayoshi Nakayama, Tsutomu Mibe (KEK), Tomohiro Takayanagi (JAEA), Akira Tokuchi (PPJ)
 
J-PARC Muon g-2/EDM実験では、医療用MRI電磁石サイズのソレノイド型超電導電磁石内に運動量300MeV/cのMuonビームを直径66cmの軌道で蓄積し、異常磁気能率(g-2)の超精密測定とEDM探索を行う計画である。蓄積電磁石内部の精密調整された蓄積領域へ静磁場を乱さずにビーム入射を行うことが実験技術の要の一つであり、我々は、蓄積領域付近に径方向パルス磁場を発生させ、ビームのソレノイド軸鉛直方向の運動を制御するキッカー装置制作に取り組んでいる。線形な磁場計算が可能な入射領域とミューオン蓄積領域の磁場分布の算出は、多数の円電流で再現する手法を取り入れることで、3次元有限要素法で設計した磁場分布と0.1ppm以内の一致を実現しつつ、ビーム軌道計算及びスピンベクトルの計算を実現している。開発本発表では、蓄積電磁石内部の磁場空間分布を考慮したビーム入射軌道から、パルス磁場の空間・時間分布の最適解算出手法を議論し、蓄積ビーム品質の評価、実機用のパルス磁場発生用のキッカーコイル形状、コイルに流す電流時間構造の具体パラメータを示す。キッカー装置の性能は、蓄積領域内のビーム軌道、ベータトロン振幅の大きさや入射効率を決定づけるので、実際のビーム運転時のキッカー調整手法シナリオも併せて議論する。また、コイルに掛かる機械的・熱的負荷の評価の進捗を報告する。