TUP028  ポスター①  10月18日 会議室P 13:30-15:30
ニオブスズ超伝導空洞を用いた材料照射用大強度電子ビーム加速器の設計開発
Development of high-current electron beam accelerator using Nb3Sn superconducting RF accelerator for various materials
 
○阪井 寛志,本田 洋介,中村 典雄,原田 健太郎,東 直,山本 将博,田中 織雅,梅森 健成,清水 洋孝,森川 祐,山田 智宏,神谷 幸秀(KEK)
○Hiroshi Sakai, Yosuke Honda, Norio Nakamura, Kentaro Harada, Nao Higashi, Masahiro Yamamoto, Olga Tanaka, Kensei Umemori, Hirotaka Shimizu, Yu Morikawa, Tomohiro Yamada, Yukihide Kamiya (KEK)
 
KEKでは、超伝導空洞加速器を用いた様々な照射実験を行っている。具体的には2019年からcERLの超伝導空洞加速器で照射ビームラインを建設し、99MoなどのRI製造、アスファルトの改質実験、また、木材に電子ビームを照射し、ナノセルロースの高効率生成実験を行ってきた。特にこれらの実験から、電子ビームの照射に関する大強度電子ビームへの需要が大きな課題となっていることが分かった。超伝導空洞を用いることで大電流ビームの加速は実現できる一方、汎用の照射ビームとしては、小型の加速器が望まれる。本研究では、超伝導加速器のさらなる大強度化を見越した小型の加速器の設計を行った。具体的にはナノセルロースの製造実験から、木材照射の実用化に向けた10MeV、50mAの大電流ビーム源の設計を行った。加速器の全体設計を行い、電子銃、超伝導空洞、照射部の具体的な設計から、10MeV、50mAの大電流ビームが照射可能な設計を行った。特にKEKのcERL加速器で使用したNb製超伝導空洞に対し、新たなNb3Sn空洞を用いることで。小型化かつ省電力化がどれくらい可能かを見積もった。本発表では、全体の設計のもとに、電子銃、超伝導クライオモジュール、照射部の設計を紹介する。 (謝辞)本研究はNEDO先導研究プログラム/エネルギー・環境新技術先導研究プログラム/高効率ナノセルロース製造のための革新的量子ビーム技術開発によって行われたものである。