TUP026  ポスター①  10月18日 会議室P 13:30-15:30
6MVタンデム加速器を用いた長半減期放射性セシウム135の加速器質量分析法の開発
Development of accelerator mass spectrometry for long-half-life radioactive cesium-135 using the 6MV tandem accelerator
 
○笹 公和,椎根 大輔,高橋 努,松村 万寿美,坂口 綾(筑波大AMS)
○Kimikazu Sasa, Daisuke Shiine, Tsutomu Takahashi, Masumi Matsumura, Aya Sakaguchi (AMS, Univ. Tsukuba)
 
加速器質量分析法(AMS)では、Csスパッタ負イオン源からの負イオンをタンデム加速器により高エネルギーに加速することで対象核種と同重妨害核種との分離識別をおこなっている。近年、核時代の人為起源核種の一つとして、長半減期核種であるセシウム135(Cs-135: 半減期 230万年)の高感度検出法の開発が求められている。しかし、タンデム加速器を用いたAMSでは、Csスパッタ負イオン源の使用から、セシウム同位体の分析が制限されることになる。本研究では、筑波大学6MVタンデム加速器において、Csの代わりに同じアルカリ金属元素であるルビジウム(Rb)を使用したRbスパッタ負イオン源の開発をおこなった。また、カソード試料からのCs負イオンビームの引き出しについて検討するために、Cs2SO4,CsNO3,Cs2CO3,CsI,CsBr試薬を準備し、添加物としてPbF2を混合してRbでスパッタした。PbF2を混合したカソード試料では133Cs32S-,133Cs16O2-,133Cs19F2-と同定されるスペクトルが得られた。また、133Cs19F2-ビームの強度が最も高い結果となった。これまでに、133Cs19F2-では0.2μAの負分子イオンビームが得られている。CsF2-は加速電圧6MVで加速され、Arガスストリッパーを通過したCs9+(58.7 MeV)を極微量核種検出ラインに通して、ガス電離箱で質量数135の粒子検出を試みた。本発表では、長半減期放射性セシウム135の加速器質量分析法の開発現状について報告する。