TUOPA04  合同セッション  10月18日 会議室A 11:10-11:40
九州大学における素粒子・原子核研究と加速器科学
Nuclear and particle physics and accelerator science at Kyushu University
 
○若狭 智嗣(九州大学大学院理学研究院)
○Tomotsugu Wakasa (Department of Physics, Kyushu University)
 
九州大学では、理学研究院・工学研究院等の部局と、超重元素研究センター (RCSHE)・先端素粒子物理研究センター(RCAPP)・加速器ビーム応用科学センター(CABAS)のセンターが連携した「先端素粒子・原子核研究拠点」を形成し、素粒子・原子核等の基礎科学の分野において国際的なネットワークを構築すると共に、若手研究者や博士課程学生の育成を推進している。現在、元素の周期表は7周期目まで完成し、九州大学は基幹組織として119番新元素合成実験を理化学研究所で推進している。新元素合成は極めて長期間に渡る研究であるが、119番・120番の新元素を発見することは科学のフロンティアである。他方、素粒子実験においても、CERN/LHCにおいて令和4年2月からRun3実験が開始され、ヒッグス粒子の性質の測定や、標準理論を超える物理の探索などが行われる。また、J-PARC/COMETにおいても令和4年12月には最初のミューオンビームを用いたPhase-α実験が予定されている。加速器センターにおいては、タンデム加速器のビームは教育・研究に供されており、新元素・新同位体・不安定核研究に用いる検出器開発等が行われている。また、FFAG加速器からの100 MeV級陽子ビームを実験に供する為の「FFAGビーム照射システム」や、京都大学から移設した「ERIT中性子発生装置」の整備が進みつつある。 本講演では、このような九州大学における原子核・素粒子物理学や加速器科学の研究について最近の成果や将来計画・展望を紹介する。