TUOB02  ビームダイナミクス・加速器理論/加速器技術(真空)①  10月18日 会議室B 16:20-16:40
KEK-ATFにおける極小ビームのビーム強度依存性とウェイク場の影響評価
Intensity dependence of nano meter small beams at KEK-ATF and evaluation of wake field effects
 
○阿部 優樹(総研大),久保 淨,奥木 敏行,照沼 信浩(高エネ研、総研大)
○Yuki Abe (SOKENDAI), Kiyoshi Kubo, Toshiyuki Okugi, Nobuhiro Terunuma (KEK, SOKENDAI)
 
ATFでは国際リニアコライダー(ILC)に求められる極小ビームを実現する最終収束技術の研究開発を進めている。目標鉛直ビームサイズ37nmに対して、2016年には鉛直ビームサイズ41nmまで達成していることを確認した。ATFの極小ビームはウェイク場を主たる原因とするビーム強度依存性を持つ。2016年にはウェイク場の影響を低減するためのビームラインの改造が行われ、先行研究にてビーム強度依存性が緩和されたことを確認した。ただし、ウェイク場の影響評価を行った解析結果と実験結果が定量的に一致しなかった。原因の一つとして、考慮できていないウェイク源がビームライン上にあると考えられている。安定な極小ビームの生成、ATFビームラインの更なる高度化を検討する上で各ウェイク源に対する更なる理解が重要とされている。報告者らは十分考慮されていなかった加速器コンポーネント(真空部品、可撓部品など)の電磁場解析を実施し、実際のビームラインをより正確に再現する計算モデルの構築を行った。また、ウェイク場の影響評価試験のためにATFビームラインへの真空容器のインストールを検討している。本報告ではこれらに向けた作業の進捗と現状について述べる。