TUOA03  加速器技術(加速器制御)  10月18日 会議室A 16:40-17:00
ベイズ最適化を用いた陽子線ビームサイズ・位置の自動調整システムの検討
Examination of automatic adjustment system for proton beam size and position using Bayesian optimization
 
○中島 秀,天野 大三,滝 和也,福井 基文,白澤 克年,宮下 拓也,橘 正則(住友重機械工業)
○Shu Nakajima, Daizo Amano, Kazuya Taki, Motofumi Fukui, Katsutoshi Shirasawa, Takuya Miyashita, Masanori Tachibana (Sumitomo Heavy Industries, Ltd)
 
陽子線がん治療装置の据え付け後の調整作業の中で時間を要している作業がビーム輸送系の調整であり、輸送する陽子のエネルギー毎にビーム輸送系を構成する各電磁石のパラメータを最適化する必要がある。ビーム輸送調整は輸送計算を元に実施しているが、調整は熟練性が求められるため限られた作業者によって行われることが多く、作業の標準化や効率化が急務である。解決策としてAIを使ったビーム調整の可能性について、ビーム軌道シミュレーションを用いて検討したので報告する。 ビーム調整に使用したAIは機械学習のハイパーパラメータ探索によく使用されるベイズ最適化を用いた。ベイズ最適化は学習フェーズを必要とせず、最適化したい関数の形状が分からない場合にも使用できる。そのため、初期条件が変動した場合や全く異なるビーム輸送系でもターゲットと測定値を知るだけで最適化が行え、複雑な輸送計算を必要としない。 本検討で作成したAIはビームサイズ調整とビーム位置調整の機能を分離した構成とした。電磁石の電流値や初期ビーム条件を設計値付近から調整させた場合と設計値からずらした場合の調整結果について報告する。また、本結果と比較するために一般的な最適化手法であるNelder-Mead法で調整した結果についても報告する。