THP042  ポスター③  10月20日 会議室P 13:00-15:00
電磁石電源用 650V/3000A 水冷大電流IGBTユニットの開発
Development of water cooled large current 650 V/3000 A IGBT Unit for magnet power supply
 
○渡辺 泰広(日本原子力研究開発機構)
○Yasuhiro Watanabe (JAEA)
 
シンクロトロンで使用する電磁石電源において,出力電流1000 Aクラスの電磁石電源を構成する場合, 既存のIGBTユニットでは電流容量が不足することから, 所要の電流容量を確保するためIGBTユニットを並列接続する必要がある。 IGBTユニットを並列接続する場合,IGBTユニット間の循環電流を抑制するため出力側にリアクトルを接続することが不可欠となるが, IGBTユニットの員数分必要となることから,電源盤の体積増加や電力損失増加の要因となる。 本論文では,シンクロトロン用電磁石電源に適した大電流水冷IGBTユニットの開発について報告する。 開発したIGBTユニットは,三相ダイオード整流回路とフルブリッジ回路を一体化したものであり, 出力側をカスケード接続することにより,最大8直列のマルチレベル変換器が構成可能である。 IGBTユニットに搭載するIGBTモジュールとダイオードモジュールは,共通の水冷フィンで冷却することで冷却効率を高め,ユニット寸法の低減と, 電源室の空調負荷の低減を図っている。 フルブリッジ回路に使用するスイッチング素子として, 定格電圧650V,定格電流600AのIGBTモジュールを5並列接続して共通のゲート回路でドライブすることにより, 等価的に定格3000Aを得ることができるため,IGBTユニットを並列接続することなく大電流の電源回路を構成することが可能となる。