THP038  ポスター③  10月20日 会議室P 13:00-15:00
電磁石コイルのインピーダンス測定による健全性評価の検討
Evaluation of the integrity of electromagnet coils by impedance measurement
 
○門脇 琴美,白形 政司,高野 淳平(高エネルギー加速器研究機構)
○Kotomi Kadowaki, Masashi Shirakata, Junpei Takano (KEK)
 
J-PARCにはLINAC, RCS, MRの3つの加速器があり、3-50BTはRCSとMRを繋ぐビーム輸送路である。 2019年、3-50BTに設置されている電磁石がコイルからの漏水により故障し、ビーム停止となる事象が2回起こった。故障した電磁石のコイルについて様々な調査を行ったところ、正常な状態からの変化を捉えるために最も有用な手法だったのはインピーダンス測定であった。 調査の結果から、2件の故障のうち1件はコイル内部にあるホローコンダクターの継ぎ目からの漏水が原因であり、もう1件はホローコンダクターと通水パイプの継ぎ目からの漏水が原因であったと推測された。3-50BTには漏水を起こした電磁石と同様の設計の電磁石が複数設置されており、今後同様の故障が起こることが懸念されている。 これまでの調査結果から、コイルのインピーダンス測定により電磁石の 異常の予兆を捉えることができると考えられているため、現在は定期的にインピーダンス測定を行っている。しかし、電磁石の台数が多く、時間や労力が限られていることから、より効率的な測定を行うために測定手法の検討が行われている。 本発表では、電磁石のインピーダンス測定手法の検討結果およびこれまでの測定結果について報告する。