THP026  ポスター③  10月20日 会議室P 13:00-15:00
電子線傾き制御によるコヒーレントTHz波の生成および光蓄積共振器の開発研究
Study on generation of coherent THz pulse by tilted electron bunches and development of an optical cavity
 
○蓼沼 優一,村越 孔太,越智 有希乃,鷲尾 方一(早大理工総研),黒田 隆之助(産総研),坂上 和之(東大光量子研)
○Yuichi Tadenuma, Kota Murakoshi, Yukino Ochi, Masakazu Washio (WISE, Waseda Univ.), Ryunosuke Kuroda (AIST), Kazuyuki Sakaue (UT-PSC)
 
相対論的速度を持つ荷電粒子が媒質中を運動するとき、媒質の屈折率と粒子の速度に依存した角度にチェレンコフ放射と呼ばれる円錐状の放射が発生する。複数の電子からなる電子バンチからこのチェレンコフ放射を発生させる場合、コヒーレント放射を得るにはバンチ圧縮が一般的な手法である。これに対して我々は、新しいコヒーレントチェレンコフ放射の生成手法として電子バンチの傾き制御を実施している。これまでに、特性評価を計測して行っており、現在はさらなる強度増大を目指して光共振器の開発を進めている。早稲田大学のrf-gunではマルチバンチ運転が可能であり、119MHzの繰り返しで150バンチ程度まで対応している。この周波数に対応した共振器長とすることで、THzパルスを同位相で蓄積増大させる。また、往復する光はTOPAS上で全反射することで共振器内に蓄えられるが、この際にTOPAS境界面でのフレネル反射による損失が懸念される。そこで、共振器の設計においてはブリュースター角での入射によって反射による損失を軽減させることを検討した。増大させたTHzパルスは、片方のミラーに空いた取り出し穴から外部へ取り出す設計となっている。本発表では、これまで実施してきたTHzパルスの発生手法とその特性評価、および現在進めている共振器の開発状況について報告する。