THP025  ポスター③  10月20日 会議室P 13:00-15:00
光クライストロン用バンチャー電磁石の性能改善に関する検討
Consideration for improvement of buncher magnets using for optical klystron
 
○坂本 文人(秋田高専),全 炳俊(京大エネ研),平 義隆,加藤 政博(UVSOR),山川 清志,近藤 祐治(秋田県産業技術センター),佐々木 昭二,細矢 潤(三栄機械),今野 弘樹(今野工業所)
○Fumito Sakamoto (NIT, Akita college), Heishun Zen (Kyoto Univ.), Yoshitaka Taira, Masahiro Katoh (UVSOR), Kiyoshi Yamakawa, Yuji Kondo (AIT), Shuji Sasaki, Jun Hosoya (Sanei-kikai), Hiroki Konno (Konno-Kogyosyo)
 
光クライストロンを用いてコヒーレント高調波を得るには,電子ビームとシードレーザーパルスの時空間における重なりを精度良く合わせることで電子ビームにたいして十分なエネルギー変調を与えるとともに,エネルギー分散を利用したバンチャー電磁石によるマイクロバンチングの効果を得る必要がある.分子科学研究所UVSORにおいて設置されている光クライストロンでは,3組のダイポール電磁石から成るバンチャー電磁石が採用されているが,これまでのコヒーレント高調波の生成実験では,バンチャー電磁石が持つ保磁力が大きいことが起因となる磁場の不確定性により,これまで理論的に提唱されてきたシードレーザーが持つ周波数チャープが高調波の発生に与える影響など,観測に至っていない現象が多く残っている状況である.既存のバンチャー電磁石は一般的な鋼材であるSS400が用いられているが,これを純鉄またはケイ素鋼材に置き換えた場合,保磁力が低減されることによりヒステリシス特性が改善されることから,磁場の再現性が向上することが期待される.現在,既存ダイポールをスケールダウンしたSS400,純鉄,ケイ素鋼を磁性材料に用いたテストモデルを制作し磁場特性を評価している.本発表では各材料を採用したテストモデルダイポールの磁気特性に関して議論し,バンチャー電磁石の改造についての展望を報告する.