THP016  ポスター③  10月20日 会議室P 13:00-15:00
J-PARC MR新BPM信号処理システムのための低反射・低歪信号アテネータ開発
Development of signal attenuator with low reflection and low distortion for new BPM signal acquisition system of J-PARC MR
 
○佐藤 健一郎,外山 毅,山田 秀衛,小林 愛音(J-PARC/高エネ研)
○Kenichirou Satou, Takeshi Toyama, Shuei Yamada, Aine Kobayashi (J-PARC/KEK)
 
J-PARC MRでは1.3MWビーム安定供給のためにBPMシステムの信号処理装置の更新を行う。既存の処理装置は設計から18年を経ており、回路部品の入手性が悪くメンテナンスができないためである。さらに、1MWを超えるビームの調整には、高精度な光学パラメータの同定が必要であり、高精度な位置データを大量に処理する必要がある。 現装置の位置測定精度は、RF周波数2倍高調波を処理した閉軌道測定誤差が約30μm、パルス波形を処理したバンチ毎測定誤差が約300μmと報告されている。新システムでは、1)アテネータ入力端子部の反射係数の低減、2)アテネータおよびADCでの信号歪とゲイン温度係数の低減、3)ADCの垂直分解能の改善、4)デジタル信号処理部での帯域フィルタリング、によって誤差を1/3に低減することを目指している。 我々は5年前より新アテネータ装置の開発を進め、昨年度には必要数の半数であるが量産を行った。大強度ビームは50Ω入力端で最大200Vppを発生するため、ADC装置の入力電圧範囲に合わせて信号レベルを減衰する必要がある。低反射を実現するため入力インピーダンスを±2%の範囲で微調整し、ケーブルと整合をとる機能を採用し、さらにテスト信号を入力して整合度とケーブル減衰を測定する機能を実現した。また、回路部品を注意深く選定することで出力端子換算の高調波歪80dB以上を達成した。 本発表では、新アテネータ装置の試験結果について報告する。