THP015  ポスター③  10月20日 会議室P 13:00-15:00
TIARA AVFサイクロトロンにおける4次元アクセプタンス測定方法の検討
Study of four-dimensional acceptance measurement method at the TIARA AVF cyclotron
 
○柏木 啓次,宮脇 信正,倉島 俊(量研高崎)
○Hirotsugu Kashiwagi, Nobumasa Miyawaki, Satoshi Kurashima (QST Takasaki)
 
QST高崎AVFサイクロトロンでは迅速で安定したビーム提供のため、ビーム位相空間測定に基づいたビーム入射調整技術の開発を行っている。入射調整は、イオン源からサイクロトロンまでの低エネルギービームライン(LEBT)の電磁石を用いて、ビームのエミッタンスとサイクロトロンのアクセプタンスを整合させることに等しい。LEBT設置されたソレノイドレンズによるビームの集束においてはビームの横方向の回転が生じるため、整合のためにはエミッタンスとアクセプタンスの4次元位相空間分布が必要である。ビームのエミッタンスは、イオン源の分析電磁石直後に設置した4次元情報が取得可能なペッパーポット装置(PPEM)で測定する。この測定ではビームを多孔マスクを通して各孔からのビームの拡がりを下流で蛍光画像により一度に測定することで、1秒以内での測定で可能である。アクセプタンスの測定では、微小な位相空間領域のビームをサイクロトロンに入射し、そのビームが加速されるか否かを1領域ずつ加速後のビーム強度モニタで検出する。この測定はPPEMとは異なり逐次測定のため長時間測定となることが懸念される。そこで、比較的短時間で測定する方法としてダブルスリットで切り出した微小位相空間領域のビームをステアリング電磁石で走査する方法を検討し、測定試験を行った。