THP008  ポスター③  10月20日 会議室P 13:00-15:00
表面窒化無酸素チタン蒸着ICFフランジの水素排気特性評価と放射光ビームラインへの応用
Evaluation of Hydrogen Pumping Properties of Surface Nitrided Oxygen-free Titanium Deposited ICF Flanges and Application to Synchrotron Radiation Beamlines
 
片岡 竜馬,○菊地 貴司,間瀬 一彦(高エネ研)
Ryoma Kataoka, ○Takashi Kikuchi, Kazuhiko Mase (KEK)
 
真空容器の内面に非蒸発型ゲッター(NEG)を蒸着すると、ベーキング後に真空容器がNEGポンプとなり、無電力で10-7 Pa程度以下の到達圧力を維持できる。NEG蒸着の利点は、活性な残留ガスを排気できることに加えて、真空容器からの脱ガスを低減できること、NEGポンプ設置のためのスペースが必要ないこと、専用電源、電流導入が必要ないこと、装置を小型化できること、電源消失時の安全安心を確保できること、である。しかしながら従来のNEG蒸着にはTiZrV合金を使用していたため、活性化温度が180~300℃と高く、放射光ビームラインの通常のベーキング温度(80~150℃)では十分活性化できない。そこで我々は、新しいNEG蒸着法の開発に取り組み、内面に表面窒化無酸素Tiを蒸着した真空容器は、真空排気、185℃、6時間ベーキング、真空封止すると10–7 Pa台の超高真空を維持すること、真空封止下でH2、H2O、O2、CO、CO2の分圧は10–8 Pa程度以下に保たれること、高純度N2導入、大気曝露、真空排気、185℃、6時間ベーキングのサイクルを30回くりかえしても残留ガスを排気することを見出した。本発表では、活性化温度を100℃程度まで下げることを目的として、無酸素Tiの純度をさらに上げた表面窒化高純度無酸素Ti蒸着ICFフランジの水素排気特性評価結果と放射光ビームラインへの応用について報告する