THOB05  加速器応用・産業利用  10月20日 会議室B 10:20-10:40
粒子線治療装置運転・維持管理データベースPT-DOMの開発
Development of particle therapy database of operation and maintenance
 
○想田 光,金井 貴幸,イ ソンヒョン,宮坂 友侑也,柴 宏博,岩井 岳夫(山形大),菅藤 洋平,盛 道太郎,佐藤 亜都紗,田口 貴之,大内 章央,勝間田 匡(AEC),佐藤 啓,佐藤 慎哉,上野 義之,根本 建二(山形大)
○Hikaru Souda, Takayuki Kanai, Sun Hyun Lee, Yuya Miyasaka, Hongbo Chai, Takeo Iwai (Yamagata Univ.), Yohei Kanto, Michitaro Sei, Azusa Sato, Takayuki Taguchi, Fumihisa Ouchi, Masashi Katsumata (AEC), Hiraku Sato, Shinya Sato, Yoshiyuki Ueno, Kenji Nemoto (Yamagata Univ.)
 
医療機器としての粒子線治療装置には一般の加速器より高い可用性が求められる。特にトラブルに対するユーザーの初期対応は重要であり、オペレータが経験を積むことと合わせて、過去の事象を整理・検索することも重要である。しかし、これまで粒子線治療装置について分析に利用可能なデータベースは存在せず、Excel等を用いて手作業で管理が行われていた。そこで、粒子線治療装置のトラブル管理を目的としたデータベースParticle Therapy Database of Operation and Maintenance(PT-DOM)を製作した。システムの構成としては、Ubuntu Linuxサーバ上でPostgreSQLをバックエンドとしてWebフレームワークDjangoを使用している。最も大きな特徴は、イオン源放電などの再発事象を「トラブル類型」としてまとめて扱うことで、入力の簡素化と再発頻度の把握を可能としたことである。また、治療・測定件数など運転記録を入力し、トラブル事象の装置停止時間と合わせて装置稼働率を自動的に算出することが可能である。さらに、改修後の経過観察など忘れやすい項目に対するリマインダー機能や、消耗品の在庫管理機能を備え、維持管理に要する人手を削減できるようにした。本データベースは山形大学医学部東日本重粒子センターで2021年1月から運用を開始した。1年4ヶ月経過した時点で、トラブル事象は5139個、トラブル類型は548個となっており、多数の事象に対して効率的な管理が可能となっている。