THOA04  光源加速器  10月20日 会議室A 10:00-10:20
極短周期アンジュレータの開発における磁場増強と装置の小型軽量化
Development of a very-short-period undulator employing a newly devised magnetic circuit
 
○山本 樹(高エネルギー加速器研究機構・物構研・放射光)
○Shigeru Yamamoto (KEK, IMSS, PF)
 
近年我々は通常数10mmであったアンジュレータの周期長を約1/10に“極短周期化”することを目標にした,板状磁石に極短周期アンジュレータ磁場を書き込む多極着磁方式の研究開発を行って来た。周期長の短縮に伴う放射の高エネルギー化を期待できるからである。 これまで,周期長4mmの磁石開発を行い,東北大・電子光理学研究センターS-Band Linac において放射光評価試験を実施することに成功した。また,SPring-8 旧SCSS 収納部に建設したレーザー航跡場加速試験施設では,10mm周期500mm長のアンジュレータから可視領域放射光の生成を確認し,レーザー加速電子のビーム開発に応用している。 次のステップとして,生成されるアンジュレータ磁場の増強を試みている。このために従来の板状磁石を用いた磁気回路周期構造において1周期を構成する磁区の数を2から4に増加させることによりアンジュレータ磁場増強を可能にする,新しい磁気回路の開発を行った。現在の開発状況について報告する。 さらに,これまで開発した板状磁石の着磁方式は,アンジュレータ主列磁石の周囲に反発磁石を配置することで主列磁石の磁場吸引力を効果的に相殺しアンジュレータ本体を小型軽量化できる,磁力相殺システムの構築に非常に有効である。小型軽量アンジュレータ架台開発の現状についても報告する。