TFP013  ポスター③④  10月20日・21日 会議室P 13:00-15:00
QST量医研サイクロトロン(NIRS-930, HM-18)の現状報告
Status report of NIRS-930 and HM-18 cyclotrons at QST-iQMS
 
○杉浦 彰則,涌井 崇志,北條 悟,村松 正幸(量研 量医研),岡田 高典,神谷 隆,山口 道晴(加速器エンジニアリング),白井 敏之(量研 量医研)
○Akinori Sugiura, Takashi Wakui, Satoru Hojo, Masayuki Muramatsu (QST-iQMS), Takanori Okada, Takashi Kamiya, Michiharu Yamaguchi (AEC), Toshiyuki Shirai (QST-iQMS)
 
量子科学技術研究開発機構量子医科学研究所のサイクロトロン施設には、放射性同位元素の製造を主目的とした2台のサイクロトロンが稼働している。1台は1974年に運転を開始したAVF-930型サイクロトロンNIRS-930(K=110)である。NIRS-930は、放射性同位元素の製造以外にも物理実験や生物実験などにも利用されている。もう一台のサイクロトロンは、1994年に運転を開始したPET診断用核種製造専用のHM-18(K=20)である。 2021年11月にサイクロトロン棟電源室において火災が発生した。人的被害はなかったが、煤と消火に用いられた水によりNIRS-930用電源等に被害があったため、NIRS-930とHM-18共に停止している。現在は、比較的被害の少なかったHM-18の早期復旧を目指している。 NIRS-930の2021年度の総運転時間は火災の影響を受けて2020年度(1534時間)より約27.1%少ない1119時間であった。利用の割合としては、特に放射性同位元素の製造の利用割合が増えて、2020年度の47.5%から57.0%と9.5%増加した。HM-18の2021年度の総運転時間は昨年度(1219時間)より約15.5%少ない1030時間であった。 本報告では、サイクロトロン施設の運転状況や利用状況、故障事例、火災の影響とその復旧作業について述べる。