FRP057  ポスター④  10月21日 会議室P 13:00-15:00
温度勾配の対称性を利用した空洞冷却技術の開発
Development of cavity cooling scheme using symmetry of temperature gradient
 
○清水 洋孝(KEK)
○Hirotaka Shimizu (KEK)
 
超伝導加速技術を利用した加速器施設では、クライオモジュールと呼ばれる真空断熱層の中に収められた加速空洞や電磁石を、液体ヘリウムの様な寒剤を用いて冷却する事が一般的である。大型の加速器施設では、専用のヘリウムの液化プラントを併設する事で、直接浸漬方式での冷却が採られている場合が多いが、この方式では、浸漬に必要となる液体ヘリウムの量を抑える工夫として、冷却される加速空洞の周りに、ヘリウム保存用の容器(ジャケット)が取り付けられる事が多い。加速空洞本体が純ニオブ製である事が多いのに対して、ジャケットにはチタン等の金属が用いられ、これらの接合部では異種金属による溶接点が形成される事になる。この様な異種金属接合を含む構造体を冷却する場合、一般には温度勾配が発生して、それに伴う熱起電力が誘起され、結果として、加速空洞の周りに磁場が発生する事が知られている。磁束の捕捉を極端に嫌う超伝導加速空洞の性能を損なわない様に、安全に冷却を行う為には、誘起される磁場の特性を詳しく理解し、適切な冷却手法の検討が重要であると考えられる。以上の考えに基づいて、温度勾配の対称性を利用した、空洞の冷却技術の開発について報告する。