FRP054  ポスター④  10月21日 会議室P 13:00-15:00
マルチイオン照射のための小型ECRイオン源のビーム試験
Beam test of new compact ECR ion source for multi-ion radiotherapy
 
○村松 正幸,片桐 健(量研機構),野村 真史,坪松 悟史,楠岡 新也,藤原 正,戸内 豊,橘 正則(住友重機),鈴木 太久,髙橋 勝之,白石 直浩,佐々野 利信(加速器エンジニアリング),岩田 佳之(量研機構)
○Masayuki Muramatsu, Ken Katagiri (QST), Shinji Nomura, Satoshi Tsubomatsu, Shinya Kusuoka, Tadashi Fujiwara, Yutaka Touchi, Masanori Tachibana (SHI), Taku Suzuki, Katsuyuki Takahashi, Tadahiro Shiraishi, Toshinobu Sasano (AEC), Yoshiyuki Iwata (QST)
 
量子科学技術研究開発機構(QST)では、数種類のイオンを標的に照射することで理想的なLETおよび線量分布を形成するマルチイオン照射を推進している。想定されるイオン種はHe、C、O、Neの4種類で、複数のイオン源を専有すれば比較的容易に切り替えが可能となるが、普及型の粒子線がん治療施設では、コストと運転・メンテナンスの観点から、永久磁石型のECRイオン源1台で対応することが望まれる。イオン源へのビーム電流の要求値は、He2+:940 µA、C4+:290 µA、O6+:330 µA、Ne7+:245 µAとなっている。 イオン源の設計・製作は住友重機械工業との共同研究で行われ、2022年3月にHIMACのイオン源室へ設置された。現在は各機器の動作確認を行った後に、要求値を満たすためのビーム試験を行っており、He2+では1040 µA、C4+では230 µAのビームが得られている。ガス流量の最適化や、イオン源内部のクリーニング、マイクロ波2重加熱の効果の確認など十分に行われていないため、まだ十分な性能が得られていないと考えられる。今後は酸素、ネオンの生成試験と、ビーム電流の増強を行う予定である。