FRP045  ポスター④  10月21日 会議室P 13:00-15:00
J-PARCリニアック LLRFシステムの現状
Status of the LLRF system for the J-PARC linac
 
○二ツ川 健太,Cicek Ersin,方 志高,福井 佑治,溝端 仁志(高エネ研),佐藤 福克(NAT)
○Kenta Futatsukawa, Ersin Cicek, Zhigao Fang, Yuji Fukui, Satoshi Mizobata (KEK), Yoshikatsu Sato (NAT)
 
J-PARCリニアックの低電力高周波制御(LLRF)システムでは、空洞電界の安定度の性能要求を満たすために、FPGAを用いたデジタルフィードバック(DFB)とデジタルフィードフォワード(DFF)システムを採用している。機器の更新に伴い、2021年の夏期シャットダウン後から、RFQ, DTL1-2にデジタイザを用いたDFB・DFFシステムを、MEBT1にTCA.4ベースのDFB・DFFシステムを導入して運用を開始している。新規に追加した機能により、システム全体の状態を把握できるようになり、より安定した運転につながっている。 LLRFのインターロック管理システムを開発して、2022年1月から実機での本格的な運用を開始した。発報内容や発報時刻だけでなく、波形データを解析情報や自動復帰の有無、ビームの有無や停止時間などの情報を半自動で整理させている。このシステムの導入により、現状の把握とシステムの脆弱な点をいち早く発見できるようになった。 新しい取り組みとして、デジタイザを導入して監視できる点が増加した324MHz RFシステムに関して伝達関数を測定してRFモデルと比較をする作業を開始した。また、加速空洞におけるビーム負荷からビームと空洞電場との相対位相の変動を測定することを検討している。 本講演では、現在のJ-PARCリニアックのLLRFシステムの紹介と新しい試みについて発表する予定である。