FRP044  ポスター④  10月21日 会議室P 13:00-15:00
KEK電子陽電子入射器におけるパルス電磁石
Pulsed magnets at KEK electron/positron injector linac
 
○横山 和枝,榎本 嘉範,柿原 和久,紙谷 琢哉,染谷 宏彦,田中 窓香,夏井 拓也(高エネルギー加速器研究機構)
○Kazue Yokoyama, Yoshinori Enomoto, Kazuhisa Kakihara, Takuya Kamitani, Hirohiko Someya, Madoka Tanaka, Takuya Natsui (KEK)
 
KEK電子陽電子入射器では、低エミッタンスビームの良質なビームを保持したまま複数のリングへ同時入射をするために、さまざまな高精度のパルス動作機器を開発している。従来の共通磁場を用いたDC電磁石のビーム輸送方式では、低エミッタンスを保持したまま各リングの要求するビーム(エネルギー・電荷量の異なる)を加速輸送し、同時入射を達成することは困難である。そのため、KEK電子陽電子入射器では、DC電磁石をパルス化することによって、各ビームモードに最適なオプティクスでビームの加速輸送を行うことで良質なビームを実現している。パルス電磁石の実用試験運転は2015年頃から開始された。2017年に、ダンピングリング(DR)上流の1, 2セクターにパルスステアリングを増設し、DR下流の3セクター以降のDC四極電磁石はダブレットタイプのパルス四極電磁石に置き換え、パルスステアリングも導入した。その後、入射部AセクターやJアーク部のDCマグネットの一部もパルス電磁石に置き換え、今後もパルス電磁石を増設する予定である。本発表では、現在運用しているパルス電磁石のまとめと今後製作予定のパルス四極電磁石について報告する。