FRP031  ポスター④  10月21日 会議室P 13:00-15:00
NaCl水溶液へのパルス大強度相対論的電子ビーム照射によるOHラジカル生成量の算出
Calculation of OH radical production by pulsed intense relativistic electron beam irradiation of aqueous NaCl solutions
 
○長谷川 聡一(長岡技科大),Kladphet Thanet(長岡高専),高橋 一匡,佐々木 徹,菊池 崇志(長岡技科大),今田 剛(新潟工科大学,長岡技科大・極限エネルギー密度工学研究センター)
○Soichi Hasegawa (NUT), Thanet Kladphet (NIT, Nagaoka College), Kazumasa Takahashi, Toru Sasaki, Takashi Kikuchi (NUT), Go Imada (NIIT, NUT EDI)
 
産業発展に伴って排水に含まれる難分解性物質による水環境汚染が問題となっている。難分解性化合物の処理方法として熱処理や薬剤処理が挙げられるが、高コストであることや薬剤性が残存してしまうといった課題がある。それらに代わる処理方法の1つとして、パルス大強度相対論的電子ビーム(PIREB: Pulsed Intense Relativistic Electron Beam)を用いた方法が検討されている。PIREB照射による間接作用によって生成されるOHラジカルは強力な酸化剤であり、多くの物質と反応する。この性質から難分解性化合物の分解に有効であるとされており、PIREBの複合処理効果において重要な役割を担っていると考えられる。先行研究より、PIREBの照射線量とOHラジカルの副生成物として生成される過酸化水素の収量の関係が調べられているが、OHラジカルの収量はわかっていない。そこで本研究では、NaCl水溶液にPIREBを照射した際、水の放射線分解によって生成されるOHラジカルの収量を算出することを目的とし、照射実験と数値シミュレーションを行った。照射実験では水溶液へのPIREB照射により生成された過酸化水素の収量を計測し、数値シミュレーションでは水の放射線分解における化学反応のレート方程式を解くことで、OHラジカルと過酸化水素の関係を調査した。