FRP028  ポスター④  10月21日 会議室P 13:00-15:00
レーザー加速イオンの超伝導シンクロトロンへの直接入射の検討Ⅴ
Direct injection of laser-accelerated ions into a superconducting synchrotron V
 
○野田 悦夫,白井 敏之,岩田 佳之,水島 康太,近藤 公伯(量研機構),藤本 哲也(加速器エンジニアリング)
○Etsuo Noda, Toshiyuki Shirai, Yoshiyuki Iwata, Kota Mizushima, Kiminori Kondo (QST), Tetsuya Fujimoto (AEC)
 
量研機構では、重粒子線がん治療装置の小型化を目指す量子メスプロジェクトを進めている。従来の入射器と超伝導シンクロトロンを用いた第4世代装置、さらに小型化を目指した、レーザー加速イオン源と組み合わせた第5世代装置と開発を進めていく。その一環として、レーザー加速イオンの超伝導シンクロトロンへの直接入射に関するフィージビリティスタディを行っている。具体的には、Beam Transportとパルス圧縮以降のレーザー光学系とビーム発生チャンバーをシンクロトロンの内側に設置することを想定して、Beam Transportを設計し、シンクロトロンでの最終的な補足粒子数を軌道計算により調べてきた。 今回、第4世代向け超伝導シンクロトロンの設計がほぼ固まってきたことを受け、このシンクロトロンを対象として、Beam Transportの設計を見直し、最終捕捉粒子数の計算を行った。特に、お互いのマグネット等が干渉しないようにビーム入射角度を大きくとるとともに配置の見直しを行った。その結果、最終捕捉粒子数は、加速イオンのエネルギー広がり、レーザーによる生成粒子のバラツキ等を考慮しても目標とする1ショットあたり1E8個の粒子数が最終的に捕捉できることが計算で確かめられた。今後、周回中の粒子損失についての詳細な検討を行うとともに、入射用kicker magnetの動作時の磁場強度変化が最終捕捉粒子数に与える影響についても調べていく。これらの検討結果も含め報告する。