FRP015  ポスター④  10月21日 会議室P 13:00-15:00
16電極ビームモニターの開発の現状と展望
Current status and prospects of 16-electrode beam monitor development
 
○李 耀漢(京都大学高エネルギー研究室)
○Yohan Lee (High Energy Physics Laboratory, Kyoto University)
 
T2K実験においてはニュートリノ振動の精密測定によりCP対称性の破れの探索を行っており、現在さらなる測定精度の向上を目指している。測定精度を上げるには、ニュートリノのビームラインのビームパワーを上げる必要があり、そのためJ-PARCのMain Ring(MR)のビームパワーのアップグレードが進められている。ビームパワーのアップグレードによりビームの強度に依存する不安定性が増大する。これはビームロスの原因となるため安定的なビームラインの運用のためにはこの現象の深い理解が不可欠であり、そのためにはビームプロファイルの測定が必要である。 16電極ビームモニターは、MRのビームの大強度化に合わせ、非破壊でビームプロファイルを測定するために開発されたビームモニターである。従来のビームプロファイルモニターとは違い、16電極ビームモニターは非破壊でビームを測定するので、原理的に大強度のビームの測定時にもビームに悪影響を及ぼすことや、ビームにより悪影響を受けることなく精度良くビームの測定が可能である利点を持つ。 現在我々は16電極ビームモニターから得られたデータの解析の方法について議論を続いており、アップグレードされたビームの測定データを用い、解析の方法の検証を行う計画を立てている。本発表では、16電極ビームモニターの開発の現状及び今後の展望について報告する。