FRP011  ポスター④  10月21日 会議室P 13:00-15:00
PFリングにおける高速軌道フィードバックシステムの高度化計画
Upgrade plan of fast orbit feedback system at PF-ring
 
○高井 良太,帯名 崇,多田野 幹人,下ヶ橋 秀典,塩澤 真未(高エネ研)
○Ryota Takai, Takashi Obina, Mikito Tadano, Hidenori Sagehashi, Mami Shiozawa (KEK)
 
KEKの放射光源加速器“PFリング”では、蓄積ビームが作る閉軌道を放射光ユーザーが望む基準軌道に常時補正し続けるための高速軌道フィードバックシステムの高度化が進められている。これまで使用してきたシステムは、65台のBPMに対して12台のアナログ検波回路を用いた切替方式を採用しているため、ビーム軌道の測定から各補正電磁石の設定が完了するまでの周期が約12 ms(80 Hz)に制限されており、その分抑制できる軌道変動の周波数も0.3 Hz程度が上限となっている。そこで、現在開発中の新システムでは、光ファイバーで連結された最新のデジタル検波・信号処理回路をBPMと同数設置し、全BPM信号を並列に処理することでシステム全体の大幅な高速化・高精度化を図る。軌道フィードバックの周期は最速で100 us(10 kHz)となり、100~200 Hz程度までの軌道変動を抑制することを目標とする。これは第3世代光源における標準的な性能であり、PFリングの次期計画にも十分流用可能なシステムとなっている。本発表では、2021年度に製作したMicroTCA.4規格の信号処理回路の概要と、それらの基礎的な性能評価試験の結果を紹介する。