FRP010  ポスター④  10月21日 会議室P 13:00-15:00
無酸素Pd/Ti非蒸発型ゲッター(NEG)を蒸着したサンドブラスト処理ステンレス製ICF203ブランクフランジの排気性能の砂粗さ依存性
Dependence of pumping performance of stainless steel ICF203 blank flange deposited with oxygen-free Pd/Ti nonevaporable getter (NEG) on sand roughness
 
○狩野 悠,矢部 学,加藤 良浩(入江工研(株)),菊地 貴司(KEK物構研),間瀬 一彦(KEK物構研/総研大)
○Yu Kano, Manabu Yabe, Yoshihiro Kato (IKC), Takashi Kikuchi (KEK), Kazuhiko Mase (KEK/SOKENDAI)
 
加速器では、完全オイルフリー、無騒音、無振動、省スペース、省エネルギー、低コストでありながら、10-7 Pa以下の超高真空下において高い排気速度を持つ真空ポンプが必要である。このためCERNでは、真空ダクトの内面に非蒸発型ゲッター(NEG)をスパッター製膜して、真空ダクト自体をNEGポンプとする技術が1997年ごろに開発された。しかし従来のNEG蒸着には活性化温度が180~300℃と高いという課題が残されている。そこで、間瀬らは新しいNEGである無酸素Pd/Tiを開発した[1]。無酸素Pd/Tiは133℃、12時間のベーキング後にH2とCOを排気し、真空排気とベーキング、大気導入のサイクルを繰り返しても排気速度が低下しない[2]。本研究では、表面積を大きくすることで蒸着面積を増やし、排気性能を上げることを目的に、ICF203ブランクフランジに粗さの違う3つの砂でサンドブラスト処理を実施し、無処理のものと合わせて計4枚のブランクフランジへの無酸素Pd/Ti蒸着を行い、オリフィス法での排気速度測定および封じ切り試験を行ったので報告する。 [1] T. Miyazawa et al., J. Vac. Sci. Technol. A 36, 051601 (2018). [2] T. Kikuchi et al., AIP Conf. Proc. 2054, 060046 (2019).