FRP002  ポスター④  10月21日 会議室P 13:00-15:00
TIARA AVF サイクロトロンの高精度ビームエネルギー制御の検討
Study on high-precision beam energy control for the TIARA AVF cyclotron
 
○宮脇 信正,渡辺 茂樹,柏木 啓次,石岡 典子,倉島 俊(量研高崎),福田 光宏(阪大RCNP)
○Nobumasa Miyawaki, Shigeki Watanabe, Hirotsugu Kashiwagi, Noriko Ishioka, Satoshi Kurashima (QST Takasaki), Mitsuhiro Fukuda (RCNP, Osaka Univ.)
 
QST高崎のTIARA AVFサイクロトロンでは、HeビームをBiターゲットに照射してアルファ線核医学治療で用いるAt-211(半減期7.2時間)の製造を行っている。At-211の生成率は、Heのエネルギーが高ければ増加するが、エネルギーが一定以上高くなると化学的に分離不能なAt-210(半減期8.1時間)が生成し、その壊変によって放射性毒性の高いPo-210(半減期138日)が生じる。At-211の生成率の最大化とPo-210の混入防止のためには、Heビームのエネルギーの制御が重要である。一般的にビームエネルギーの調整は、ターゲット直前に設置する金属板等で行うが、サイクロトロンの調整によってAt-211の生成率に差が生じることがあり、リアルタイムでのビームエネルギーの測定とその調整が求められた。そこで、ビームエネルギー・位置モニターを用いてリアルタイムでビームエネルギーを測定しつつ、サイクロトロンのパラメータを調整し、ビームエネルギーの微調整を行った。その結果、加速電圧や磁場によってビームエネルギーをある範囲内で任意に調整することができた。発表では、サイクロトロンのパラメータの変更に伴うエネルギーの測定結果及びこれを用いたAt-211の製造実験の結果について報告する。