FRP001  ポスター④  10月21日 会議室P 13:00-15:00
J-PARC線形加速器におけるMEBT1に関するビーム実験
Beam study on MEBT1 at the J-PARC linac
 
○岡部 晃大,劉 勇,大谷 将士,守屋 克洋,宮尾 智章,北村 遼,平野 耕一郎,小栗 英知,金正 倫計(J-PARC)
○Kota Okabe, Yong Liu, Masashi Otani, Katsuhiro Moriya, Tomoaki Miyao, Ryo Kitamura, Kouichirou Hirano, Hidetomo Oguri, Michikazu Kinsho (J-PARC)
 
J-PARC 線形加速器では、RFQとDTLの間にビームライン(MEBT1)を設けている。MEBT1には後段の円形加速器(RCS)に整合するように縦方向のビーム形状を整形するためのRFビームチョッパーシステムなどが設置されている。既設MEBT1にはチョッパーシステムと下流DTLにビームの縦方向形状を整合させることを目的としてバンチャー空洞が2台設置されているが、原理的にはチョッパーシステムに1台、DTLとのビーム形状整合に2台と合計3台のバンチャーが必要となる。そのため、MEBT1にバンチャーを一台追加した新MEBT1の設計について長く議論がなされてきた。一方、MEBT1では空間電荷効果が非常に強く顕在化することに加えて、DTLセクション内でビームモニタ類の設置が難しいこともあり、数値シミュレーションを用いて現状の実験結果を明らかにすることが難しい状況にある。そこで、まずは系統的なビーム実験を行い、MEBT1にバンチャーを追加することで、どの程度ビームの質の向上が見込めるかを調査した。 ビーム実験結果とMEBT1を作り変えることにより発生するリスクとの兼ね合いを検討した結果、J-PARC加速器における1MW強のビームパワーの達成を目標とする上で、新MEBT1設置のメリットは少なく、現行のMEBT1で十分対応可能であると判断した。本講演ではMEBT1に関するビーム実験結果と新MEBT1の検討過程について報告する。