FROB12  加速器技術(電磁石と電源)②  10月21日 会議室B 16:10-16:30
J-PARC MRの速い取り出し用新セプタム電磁石の漏れ磁場軽減対策
The reduction of the leakage field of the new septum magnets for fast extraction in J-PARC-MR
 
○芝田 達伸,岩田 宗磨,石井 恒次,松本 教之,佐藤 洋一,五十嵐 進,發知 英明,杉本 拓也,松本 浩,安居 孝晃(高エネ研),浅見 高志(東大/高エネ研)
○Tatsunobu Shibata, Soma Iwata, Koji Ishii, Noriyuki Matsumoto, Yoichi Sato, Susumu Igarashi, Hideaki Hotchi, Takuya Sugimoto, Hiroshi Matsumoto, Takaaki Yasui (KEK), Takashi Asami (UT/KEK)
 
J-PARCのMRでは2021年7月から2022年5月までの長期停止期間中に大規模なアップグレードが行われた。ニュートリノ実験施設へ取り出す速い取り出し用セプタム電磁石は新しいセプタム電磁石に交換された。新セプタム電磁石の周回ビームライン上に発生する漏れ磁場は交換前のセプタム電磁石よりも小さくする必要がある。その理由は大強度化する陽子ビームに対してより精密なビーム調整が必要なるため、漏れ磁場によって曲げられるビームがより問題視されるためである。これまでの各セプタム電磁石の通電試験を通して漏れ磁場軽減は多くされてきた。2021年度には更に漏れ磁場の軽減を目的として全ての新セプタム電磁石に内部シールドと呼ぶダクト型の純鉄シールドを導入した。本講演では内部シールドの詳細と導入後の漏れ磁場軽減結果、その結果から見えてくるこれからの漏れ磁場軽減の課題について報告する。内部シールドは周回ライン内に設置するため肉厚を厚くするとビームロスに繋がる。そのため肉厚はビームシミュレーションの結果も使って慎重に決定した。全ての内部シールドは2021年度に製作した。内部シールドの効果を最初に確認したのは低磁場セプタム電磁石(EDDYセプタム電磁石)であり、2022年3月である。高磁場セプタム電磁石については2022年5月と7月以降の夏のメンテナンス期間に測定を行う予定である。また2022年6月のビーム試験に於いても漏れ磁場の影響を調査する予定である。