FROB11  加速器技術(電磁石と電源)②  10月21日 会議室B 15:50-16:10
J-PARC MR 入射キッカー電磁石のための新しいインピーダンス整合回路の性能評価
Performance of new impedance matching circuit for J-PARC MR injection kicker magnet
 
○杉本 拓也,石井 恒次,芝田 達伸,岩田 宗磨,松本 浩(KEK)
○Takuya Sugimoto, Koji Ishii, Tatsunobu Shibata, Soma Iwata, Hiroshi Matsumoto (KEK)
 
本報告では、J-PARC MR入射キッカー電磁石において、新しく製作した導電性セラミック抵抗器を搭載したインピーダンス整合回路の通電試験を実施した結果について議論する。J-PARC MRでは、バンチ当たりの粒子数を増やし、繰り返し周期を短縮する事により、早い取り出し方式による陽子ビーム出力を1.3MWへアップグレードする事を計画している。これまでの研究により、1.3MW運転では、パルス励磁電流による発熱と陽子ビームにより誘起される電流による発熱で、入射キッカー電磁石のインピーダンス整合用抵抗器の表面温度が350℃を超える事がわかった。そのため、抵抗器の容量を4.5倍(体積比)に増加し、抵抗器を冷却するためのアルミ製水冷ヒートシンクを導入した。さらに、円筒型の抵抗器内部の熱伝導率を改善するために、φ3mmのアルミナ製ビーズを充填した。2022年春に実機に導入し、繰り返し周期1.36秒でのパルス通電試験を実施。抵抗器表面温度の測定結果と熱流体シミュレーションと比較することで1.3MW運転での抵抗器温度を推定し、今後の冷却能力増強の必要性について議論する。