FROB01  加速器技術(ビーム診断・ビーム制御)①  10月21日 会議室B 9:00-9:20
White Rabbitを用いたDistributed TDCシステム
Distributed TDC system based on White Rabbit
 
○梶 裕志(高エネルギー加速器研究機構)
○Hiroshi Kaji (KEK)
 
Distributed DAQシステムは加速器の制御関係者により提唱された新しいビーム診断技術である。本システムは加速器ビームライン上に分散されたモニター機器の時計を高精度で同期させ、ビームライン上で同時多発する事象の測定データを時刻をもとに紐づけるものである。この方法を用いると、例えば、加速器ビームが異常状態に陥り、ビームライン上の複数モニターで異常状態を示すデータが検知された場合に、それらデータをすべて紐づけ1つの事象として解析することが可能である。最新のタイミングシステムを用いたシステムでは、すべての機器の時計をサブナノ秒レベルと極めて高い精度でGPSと同期する。KEKつくばキャンパスの電子陽電子衝突型加速器SuperKEKBはいち早くDistributed DAQシステムを運転に取り入れた先駆的な存在である。本公演では、そのうち、White RabbitシステムのスレイブモジュールをTDCとして用いるdistributed TDCシステムについて解説する。またその運用例として、ビームアボート診断用ロスモニターシステムについてもその概要を紹介する。