FROA04  ハドロン加速器①  10月21日 会議室A 10:00-10:20
RCNP AVFサイクロトロンにおけるビームコミッショニング
Beam commissioning of the RCNP AVF cyclotron
 
○福田 光宏,依田 哲彦,神田 浩樹,安田 裕介(阪大RCNP),中尾 政夫(群大GHMC),畑中 吉治,齋藤 高嶺,田村 仁志,森信 俊平,永山 啓一,吉田 英智,阿野 真治,友野 大,鎌野 寛之,青井 考,嶋 達志,井手口 栄治,大田 晋輔,小林 信之,古野 達也,今城 想平,村田 求基,山本 康崇,鈴木 智和,今 教禎,森田 泰之,武田 佳次朗,原 隆文,荘 浚謙,Zhao Hang,橘高 正樹,松井 昇大朗(阪大RCNP)
○Mitsuhiro Fukuda, Tetsuhiko Yorita, Hiroki Kanda, Yuusuke Yasuda (RCNP), Masao Nakao (GHMC), Kichiji Hatanaka, Takane Saito, Hitoshi Tamura, Shunpei Morinobu, Keiichi Nagayama, Hidetomo Yoshida, Shinji Ano, Dai Tomono, Hiroyuki Kamano, Toshi Aoi, Tatsushi Shima, Eiji Ideguchi, Shinsuke Ota, Nobuyuki Kobayashi, Tatsuya Furuno, Shohei Imajo, Motoki Murata, Yasutaka Yamamoto, Tomokazu Suzuki, Yukiyoshi Kon, Yasuyuki Morita, Keijiro Takeda, Takafumi Hara, Tsun Him Chong, Hang Zhao, Masaki Kittaka, Shotaro Matsui (RCNP)
 
大阪大学核物理研究センター(RCNP)では、2019年度にK140 AVFサイクロトロンの高性能化を目指したアップグレードに着手し,2019年度に建屋の遮蔽増強や老朽化した設備の改修、2020年度に従来のAVFサイクロトロンの解体と機器の更新,2021年度に構成機器の調整やRFパワー試験などを行った後に,2022年3月から加速を開始して4月にAVFサイクロトロンから65MeVの陽子ビームを取り出すことに成功した。本アップグレードにおいてはビーム強度を従来の10倍以上に増強することを目的としてイオン源の加速電圧を15kVから50kVに増やし,入射エネルギーの増加に適合するようにインフレクター電極等の中心領域の電極配置や構造などを全面的に更新した。また,開き角87度の2つのディー電極を対向させた同軸型ショート板方式の共振器システムを導入してRF周波数帯域を従来の2~3倍の16~36MHzに上げ、加速ハーモニクス2を基本とする加速モードによってエネルギー利得を最大化してデフレクターでの引出効率の向上とビーム損失の低減を図った。本体電磁石の磁極とヨーク,メインコイルは旧来のものを再利用したことから最大平均磁場はこれまでと変わらず,加速可能なエネルギー範囲も従来と同じ幅広い範囲をカバーしている。本発表においては、アップグレードしたAVFサイクロトロンの性能とビームコミッショニングの状況などについて報告する。