WEP059  施設技術報告  8月11日 会議室P 13:10 - 15:10
KEK先端加速器施設(ATF)におけるナノビーム技術開発
Development of the nanometer beam technology at the Accelerator Test Facility
 
○照沼 信浩,久保 浄,黒田 茂,奥木 敏行,内藤 孝,福田 将史,アリュシェフ アレクサンダー,荒木 栄,森川 祐,中村 英滋,大森 恒彦,倉田 正和(高エネ研),阿部 優樹,ポポフ コンスタンティン(総研大)
○Nobuhiro Terunuma, Kiyoshi Kubo, Shigeru Kuroda, Toshiyuki Okugi, Takashi Naito, Masafumi Fukuda, Alexander Aryshev, Sakae Araki, Yu Morikawa, Eiji Nakamura, Tsunehiko Omori, Masakazu Kurata (KEK), Yuki Abe, Konstantin Popov (SOKENDAI)
 
KEKの先端加速器試験施設(ATF)では、国際リニアコライダー(ILC)の衝突ビームであるナノメートルビーム(ナノビーム)の技術開発を、最終収束システム試験ビームライン(ATF2)により進めている。ILCでの衝突ビームサイズ7nm(垂直方向)に対応する37nmの極小ビームの実現、ナノメートルレベルでのビーム位置制御技術開発が目標である。現在までに垂直方向41 nmを達成し、また、ナノメートルでの位置安定化を実現しうる高速位置補正技術を確認した。ATF2ではWakefieldの影響調査も進めている。位置分解能20nmの空洞型BPM、ナノビームを測定するレーザー干渉縞型ビームサイズモニターを有するATF2(1.3GeV)はこの研究に適した施設である。ILC(125GeVビーム)では、ウェイク場の影響は限定的と評価されているが、ATF2での研究は評価の信頼性を上げ、ビームの安定化や高度化を追求する上で重要である。昨年秋にはこれまでの技術開発を総括する国際評価委員会を実施した。ILCの準備段階に応じた開発計画、最終収束ビームライン(ATF2)の高度化改造(ATF3計画)が審議された。現在はコロナ禍により海外から共同研究者が来日できる状況には無い。この状態はしばらく続く事が予想されるが、来たるべき共同開発の再開を想定し、国内研究者でビーム試験を継続、ナノビーム技術の理解を深めている。