WEP058  施設技術報告  8月11日 会議室P 13:10 - 15:10
放医研サイクロトロン施設の現状報告
Status report of NIRS-930 and HM-18 cyclotron at QST-NIRS
 
○北條 悟,涌井 崇志,村松 正幸,片桐 健,杉浦 彰則(量研-放医研),岡田 高典,山口 道晴,神谷 隆(加速器エンジニアリング),白井 敏之(量研-放医研)
○Satoru Hojo, Takashi Wakui, Masayuki Muramatsu, Ken Katagiri, Akinori Sugiura (QST-NIRS), Takanori Okada, Michiharu Yamaguchi, Takashi Kamiya (AEC), Toshiyuki Shirai (QST-NIRS)
 
量⼦科学技術研究開発機構量子医科学研究所(旧放射線医学総合研究所 以下放医研)のサイクロトロン施設では、放射性同位元素の製造を主⽬的とした2台のサイクロトロンが稼働している。1台は、1974年に運転を開始したNIRS-930サイクロトロンで、もう1台は、1994年に運転を開始したPET診断⽤核種製造専⽤のHM-18サイクロトロンである。NIRS-930は、放射性同位元素の製造以外に物理実験や⽣物実験等にも利⽤されており、2020年度も運転を続けている。2020年度は、年度当初に発令された緊急事態宣言により、2か月間の運転停止と、その後1か月間の外部利用の停止といった対応を行った。そのため、総運転時間は例年の運転時間より短く1533時間であった。大きな故障停止などはなく、年間の故障停⽌時間は計6時間で、その要因としては、電源の故障や制御システムの故障などで、復旧までにかかった時間は1時間未満の故障停止がほとんどであった。また、HM-18も緊急事態宣言に対応として運転停止や、実験中止等の対応を行っており、総運転時間は1223時間であった。年間の故障停⽌時間は計5時間で、主にターゲットフォイル破損による真空悪化の影響が大きく、復旧までに4時間を要した。本発表では、放医研のサイクロトロン施設の利⽤状況や運転状況、また、施設設備における修繕の実施内容等について報告する。