WEP044  高周波源・LLRF  8月11日 会議室P 13:10 - 15:10
蓄積リング高周波空洞用導波管真空封止窓の開発
Developments of a waveguide-type vacuum window for RF cavities of a storage ring
 
○山口 博史(高輝度光科学研究センター),稲垣 隆宏(理研),安積 隆夫(高輝度光科学研究センター),早賀 紀久男,森本 理(スプリングエイトサービス)
○Hiroshi Yamaguchi (JASRI), Takahiro Inagaki (Riken), Takao Asaka (JASRI), Kikuo Hayaga, Osamu Morimoto (SES)
 
次世代放射光光源蓄積リング用に開発したHOM減衰型高周波加速空洞では、導波管での真空封止のために京セラ製の低損失セラミックを用いた真空封止窓を用いている。この真空封止窓は、狭いスペースに設置でき、また故障時の交換が容易なよう、銅製のフランジに矩形のセラミックを接合したコンパクトな構造となっている。この真空封止窓を使用して加速空洞の大電力試験を行った際に、高周波透過時のセラミックの発熱や放電の多発といった問題が発生した。この問題の原因と解決策を検討した。 セラミックの発熱は、セラミックの品質にばらつきがあり、tanδが大きいことが原因である。そこで、セラミック単体で空洞法によりQ値を測定し、tanδが1.5e-4以下であることを確認した。次にセラミックを金属板で挟んで大電力高周波試験を行い、発熱が少ないことを確認した。こうして、品質の確認されたセラミックを接合することで、真空封止窓の信頼性を向上させた。放電に関しては、セラミック真空側表面での一面性マルチパクタ放電であると推測し、窓付近に永久磁石を配置することで、放電を大幅に抑制できることを確認した。現在、実機用の真空封止窓に永久磁石を配置する装置を製作し試験をする準備を進めている。本発表では、これらの解決策の詳細を報告する。