WEP040  加速器制御  8月11日 会議室P 13:10 - 15:10
SACLAのアンジュレータ・四極磁石駆動用モータ制御異常の原因調査と対策
Motor-driver troubles in the SACLA undulator-hall
 
○松原 伸一,糸賀 俊朗(高輝度光科学研究センター),福井 達,前坂 比呂和,稲垣 隆宏(理化学研究所)
○Shinichi Matsubara, Toshiro Itoga (JASRI), Toru, Fukui, Hirokazu Maesaka, Takahiro Inagaki (RIKEN)
 
SACLAのアンジュレータ収納部には、硬X線FELビームライン2本と軟X線FELビームライン1本があり、約40台の真空封止型アンジュレータと、そのアンジュレータ間に電子集束用四極磁石が配置されている。真空封止型アンジュレータの磁石列は、ステッピングモータを用いて遠隔制御がされており、運転条件に応じて磁極間隔や高さを調整できるようになっている。また、移動ステージに載せた四極磁石も、遠隔制御により磁場中心を電子ビーム軸に調整する。これらのステッピングモータを駆動するモータドライバは、ケーブル長の制約からビームラインの横に鉛の遮蔽を施した19インチラックを設置し、その中にモータドライバを置いて使用している。しかしながら、ビームラインが増設され加速器の運転頻度が増えた2016年頃より、このモータドライバが突然制御不能になる不具合が発生し始めた。不具合の発生頻度は、年に数回である。制御不能になったモータドライバは電源を再起動すると正常な動作に戻ることから、この不具合は機械的な故障ではなく一時的な制御の不整合である。モータドライバが停止するとビームラインの調整が不能となるのため、不具合の原因の調査と対策が求められる。不具合の原因として、放射線の影響によりこの不具合が発生することを確認した。本発表で、この不具合状況、調査、対策について報告する。