WEP034  加速構造  8月11日 会議室P 13:10 - 15:10
ラージグレインとファイングレインニオブを用いた空洞の耐圧試験
Pressure test for large grain and fine grain niobium cavities
 
○山中 将,梅森 健成,吉田 孝一,渡辺 勇一,井上 均,道前 武,佐伯 学行(高エネ研),江並 和宏(筑波大)
○Masashi Yamanaka, Kensei Umemori, Koichi Yoshida, Yuichi Watanabe, Hitoshi Inoue, Takeshi Dohmae, Takayuki Saeki (KEK), Kazuhiro Enami (University of Tsukuba)
 
ラージグレイン(LG)とファイングレイン(FG)ニオブを用いて製造した超伝導空洞を使って耐圧試験を行った。空洞は1.3 GHz TESLA-like形状である。空洞は、鉄製のタンク内に設置される。タンク内に水を供給して、空洞の外側から加圧する。空洞の内部は大気開放である。空洞の両端のフランジは、タンクの端板に固定され、加圧中の長手方向の変位は拘束される。加圧試験中の供給圧力と空洞の固有振動数を記録した。圧力を大きくするとFG空洞とLG空洞は大きく変形し、それぞれ3.4 MPaと1.6 MPaで固有振動数が大きく低下した。固有振動数は初期状態から、それぞれ3.4 MHzと1.3 MHz高くなった。両空洞とも試験後のリークは無いので、上述の圧力では破裂はしていない。LG空洞の耐圧はFG空洞の半分以下がある。空洞の外側から水圧が作用した場合の応力分布をFEMを用いて計算した。セル部分の最大応力は、それぞれ146 MPa(FG)と73 MPa(LG)である。この応力値はニオブ試験片を使って引張試験により求めた引張強度の値に近い。耐圧試験結果と計算結果はよく一致した。この結果は、空洞のセル厚さを設計する際に有効である。