WEP002  加速器応用・産業利用/粒子源  8月11日 会議室P 13:10 - 15:10
重粒子線治療用シンクロトロン多段エネルギースキャンの運用実績
Performance of Multiple-Energy Synchrotron Operation for Carbon Ion Therapy
 
○想田 光,金井 貴幸,イ ソンヒョン,宮坂 友侑也,柴 宏博,岩井 岳夫(山形大),盛 道太郎,佐藤 亜都紗,田口 貴之,菅藤 洋平,勝間田 匡(AEC),佐藤 啓,佐藤 慎哉,上野 義之,根本 建二(山形大)
○Hikaru Souda, Takayuki Kanai, Sun Hyun Lee, Yuya Miyasaka, Hongbo Chai, Takeo Iwai (Yamagata Univ.), Michitaro Sei, Azusa Sato, Takayuki Taguchi, Yohei Kanto, Masashi Katsumata (AEC), Hiraku Sato, Shinya Sato, Yoshiyuki Ueno, Kenji Nemoto (Yamagata Univ.)
 
 山形大学医学部東日本重粒子センターでは2021年2月から重粒子線治療照射を開始した。本施設の特徴は、飛程の微調整に物理的なレンジシフタを用いず、シンクロトロンで延長フラットトップ機構によってエネルギー600段、飛程0.5mm刻みの制御を行うことである。そのため、シンクロトロンおよびビーム輸送系のパラメータはエネルギー段数分600個の値を個別に設定している。  治療照射においては、臨床利用に必要な照射精度を確保するために、Quality Assurance(QA)として治療室アイソセンターでのビーム位置、ビームサイズ等を許容範囲内に収まるように管理する必要がある。しかし、これを600段のエネルギー全てで毎日測定することは現実的に不可能であるため、日常的には照射精度を確保できる範囲で簡略化した測定を行い、週例、年次の測定で精密な測定および調整を行うことが必要となる。  日常点検としては、ポートに常設されたMWPCによるビーム位置・ビームサイズ測定を行い、位置が±1mm以内、サイズが基準値±20%に収まることを確認している。また、Farmer型電離箱線量計を複数のエネルギーで照射し、仮想的なブラッグピーク位置を測定することで、飛程が基準値±0.5mmに収まることを確認している。本発表では、日常および週例での測定におけるビーム位置・ビームサイズの推移と、これまでに行った調整の内容と結果について発表する。