WEOB05  高周波源・LLRF  8月11日 会議室B 10:30 - 10:50
放射光施設ニュースバルの新入射加速器のタイミング・低電力高周波制御システム
Timing and Low Level RF Control System of New Injector Linac for New SUBARU
 
○大島 隆,前坂 比呂和,岩井 瑛人,稲垣 隆宏(理研),細田 直康,出羽 英紀,松原 伸一(高輝度光科学研究センター),吉岡 正倫,皆川 康幸(スプリングエイトサービス),上島 考太(量子科学技術研究開発機構)
○Takashi Ohshima, Hirokazu Maesaka, Eito Iwai, Takahiro Inagaki (RIKEN RSC), Naoyasu Hosoda, Hideki Dewa, Shinichi Matsubara (JASRI), Masamichi Yoshioka, Yasuyuki Minagawa (SPring-8 service), Kota Ueshima (QST)
 
兵庫県立大学が運営する1.5GeV放射光施設のニュースバルでは、従来、SPring-8のための線型加速器からの電子ビームの一部を振り分けて入射してきた。しかし、2020年にSACLAからSPring-8蓄積リングへの入射が始まり、不要となった線型加速器のシャットダウンが予定された。そこで、新しい1GeV Cバンド線型加速器をニュースバル専用の入射器として建設した。この入射器のタイミングシステムや低電力高周波制御(LLRF)システムは、次世代放射光施設の先行試験を兼ねてそこで使用されるものと同様の設計とした。入射器の高周波基準信号として、ニュースバル蓄積リング(SR)の加速周波数の基準信号を分周逓倍した信号を用いた。この信号は、位相安定化光ファイバーを用いた光送受信システムを経由して、入射器のクライストロンギャラリの4箇所に設置されたサブユニットまで伝送した。入射器のマスタートリガ信号は、AC60Hz、SRのバケットタイミングおよび入射器の高周波基準信号のゼロクロスとが合致するタイミングで出力し、MTCA.4規格のトリガシステムによって各サブユニットに伝送した。各サブユニットではMTCA.4規格のIQ変調・検出器を用いて加速空洞に供給する高周波パルス信号の制御・モニタを行なった。新入射器は今年の2月から運転を開始し、安定な運転が継続されている。本発表では、導入されたタイミング・LLRFシステムの構成、達成された性能などについて報告する。